たるたるホワイトチョコソース

自作のくすぐりフェチエロゲを公開したりまったり語ったりしています。18禁。

笑いと肉壁に埋もれ


久しぶりのくすぐりSSです!
8月8日は丸呑みの日、ということで丸呑みくすぐりSSとなります!
でも主成分はあくまでくすぐりですので予めご了承ください。

キャラはオリジナルです。
いつも通りpixivに投稿したものの再掲です。

SS本編は続きから。

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「水よ、凍れっ! …………あっ! お師匠様、見てください! ほんのちょっとですが、凍りました!」
「どれどれ……おぉ、これは見事に凍っていますね。素晴らしい上達です」
 フィーク町の昼下がり、赤い屋根のレンガの家でとある少女が水の溜まった小さな瓶をまじまじと見つめていた。少女がかけた魔法によって瓶の表面には霜ができており、確かに水が一部凍ったことを表している。
 肩の下まで伸びた暗い茶色の髪を揺らし、明るい茶色の瞳を輝かせてはしゃぐ少女の名前はミル。夏であるため服装は赤いノースリーブのワンピースと軽装で、頭についた大きなピンクのリボンが彼女の存在を周囲に健気にもアピールしているようだ。
「これもお師匠様が教えてくれたおかげです!」
「いえいえ、これはミル、あなたが自分の力で成し遂げたこと。もっと自信を持っていいのですよ」
「お、お師匠様……えへへ。」
 ミルにはお師匠様、と呼ばれている女性――クレアは肩ほどの高さにあるミルの頭を片手でぽんぽんと軽く叩くように撫でる。夏であれど雪のような輝きを放つ銀色の髪を腰まで伸ばし、白い服に身を包むクレアは周囲に厳格な印象を与えるが、ミルの前で笑みをこぼし何度も何度も繰り返し撫でるその姿は母性に溢れていた。
「ミルの魔法に対する熱意と向上心には目を張るものがあります。このまま練習を続ければ、きっと優秀な魔法使いになれるでしょう」
「お師匠様……! ありがとうございます!」
 魔法の知識にも実力にも長けており周囲の人から頼られるクレアは、魔法に人一倍興味を持つミルに数ヵ月前から魔法を教えるようになっていた。ミルは毎日学校帰りにクレアの家に直行し、面倒見の良い彼女に魔法を教わっている。
クレアという良い師を持ったのに加えミル自身の興味関心もあってか彼女はめきめき腕を上げ、短期間で魔法を習得していた。
「私、頑張ります! そしていつかお師匠様のように、人のために魔法を使えるようになりたいです!」
「なれますよ。魔法を使う上で大切なのは信じる心。できると信じて心を傾ければ、それが現実となる。魔法とはそういうものです」
 クレアはミルに魔法の知識だけでなく、魔法使いとしての心構えも教えていた。素直なミルは説教のようにも聞こえるそれを煙たがることなく、興味津々に聞く。その誠実さも彼女の素早い上達の秘訣なのだろう。
「では、そろそろおやつの時間にしましょうか。今日はアップルパイを……あれ、林檎を切らしていました……」
「それなら私がタンケおじさんのところに行って貰ってきます!」
「助かります。私は準備をしておくので、帰ったら一緒にアップルパイを作りましょう」

 ミルは家を飛び出し一人で町の外れにある農園に向かう。タンケはクレアの知り合いの農家であり、ミルがその家に行くと採れたての林檎を快く分けてくれる。ミルはクレアがその林檎を材料に、完璧な火加減の炎魔法によって作るアップルパイが大のお気に入りだった。
 凍らせることができた量は少しだったとはいえ初めて氷魔法が成功し、クレアにお墨付きをもらい、更にこれから大好きなアップルパイを大好きなクレアと一緒に作って食べることができる。この上なく上機嫌なミルは夏の暑さを気にすることもなく、鼻歌を歌いながら楽しげに歩を進める。
 その最中、彼女は頭に飾られたピンクの大きなリボンを何度も真っ直ぐに整えていた。このリボンはミルがクレアと出会った日に付けてもらった彼女の宝物である。
 クレアは内気で自分に自信を持っていないミルを見て、まずは地味な見た目から変えていこうと大きく派手なこのリボンを半ば無理やり付けた。ミルはその後クレアと接するにつれて徐々に自分に自信が持てるようになり、このリボンも肌身離さず付けているようになった。
 彼女の人生に大きく影響を与えたクレアに褒められたのだから、ミルが浮かれるのも無理はないだろう。

 タンケから林檎を貰いに行くときはいつも通っている同じ道だが、フィーク町を出た後にある横に林が見える人気の少ない通りで、いつもとは違うことが起きた。
 背後からガサゴソと音が聞こえて振り返ると、林の間から黒いローブを纏った長身の男が現れたのである。片手にはゼンマイのように先端が丸まった木の杖を携えており、誰から見ても魔法使いだとわかるような見た目をしていた。
(だ、誰だろう……魔法使いみたいだけど、なんか怖いし……離れるようにしよう)
 突如林から現れた黒づくめの魔法使いという、不気味さの塊とも言えるこの人物をミルは当然不審がり、歩調を速めて距離を取るようにした。
 すると、魔法使いの男はそれより少し速い程度の足取りでミルを追いかけてきたのだ。
(うそっ……!? これってまさか、ストーカー!?)
 身の危険を感じたミルはなりふり構わず全速力で走りだす。あの男が本当にストーカーだったとしても、タンケの家にまで辿り着けばそこで守ってもらえるだろう。彼女はその一心で走っていた。
 一方の男は早歩き以上に歩速を高めることはなく、代わりにブツブツと何かを呟いて杖の先端をミルに向けた。杖は怪しく紫に発光し、矢のような勢いで光線をミルの背中に放つ。魔法の光は瞬く間に少女の決死の逃走に追いついてしまい、彼女に着弾する。
「きゃあぁっ…………ぁっ…………っ……………………」
 ミルは微かな衝撃を背中に受けて悲鳴をあげそうになるが、とある感覚によって叫ぶ気力すらも奪われる。
 その感覚は眠気。男が呟いていたのは催眠魔法であり、それがミルに命中したことで彼女の脳に一抹の眠気が生じた。眠気は水滴がもたらす波紋のように脳全体、そして彼女の身体にまで広がっていき一瞬のうちに彼女を支配してしまう。
 眠気に支配されたミルは歩を止めて膝をつき、力無くうつ伏せに倒れ、白昼の眩い太陽に照らされた土の上で眠りについてしまった。



「…………う゛っ! いたたたた……あれ?」
 ミルが目を覚ましたのはそれから数時間後。砂地に乱暴に放り投げられた彼女は、砂によって衝撃が多少は緩和されたとはいえ背中に強い衝撃を受けて半ば強制的に目覚めさせられた。
「ここ、どこだろう……」
 背中に鈍い痛みが残る中、ミルはすっくと立ち上がって周囲を見回す。辺り一面粗い砂が敷き詰められた、円形の大部屋。上の方には一部観客席のような空間もあり闘技場のようでもあったが、部屋全体の広さに対する観客席の狭さ故に大人数を収容できるようにも見えなかった。
 ミルが呆然と周りを見ていると観客席に見覚えのある人影があった。黒いローブに身を隠す長身の魔法使いの男。その姿を見てミルはようやく、眠らされる前に起きた出来事を思い出す。
「あ、あなたはさっきの……ここはどこなの? あなたは誰?」
 見知らぬ男にミルは震える声で問いかける。突然走って追いかけるというストーカーまがいの行為、そしてあの男が町外れの道に現れてから今に至るまでの記憶がすっぽり抜けているという事実。
 それだけでもミルの頭に誘拐の二文字が浮かび、怖くて今にも泣き出してしまいそうだ。
「………………」
 問われた男は返事の代わりに杖を掲げて呟くのみで、ミルの恐怖を膨れ上がらせる。ミルは男に近付こうと思い小さな身体で懸命にぴょんぴょんと跳ねるが、彼女の立つ地面から男の立つ観客席との間には数メートルの高低差があって届きそうにない。
 部屋の出口は観客席にしか無いようで、それが尚更彼女を必死に跳ねさせた。
「お願い、ここから出して! お師匠様のところに戻らなきゃいけないの! お願いだからっ……!」
 怖くて溢れそうになる涙をなんとか堪え、ミルは全力で男に助けを求めるが男は返事をしないどころか彼女の存在に気付いてすらいないかのように自分の作業に集中している。
 少し経つと男は呪文を唱え終えたのか、杖をより高く掲げて地面をコツンと突き、いきなり声を張って怒鳴り散らす。
「おい! メシの時間だ、出てこい!」
「えっ、ご飯? それよりも、早く帰して……」
 突然大声で思いもよらぬことを伝えられ、驚き戸惑うミル。その直後、彼女は男の発言が自分に向けられたのではないと思い知らされる。
 男の杖や怒声に部屋全体が反応したかのように地面が震え、砂が揺れ、轟音が鳴り響く。ミルは地面の震動にバランスを崩し、倒れながらもあまりの音に耳を塞いだ。
「きゃぁっ! な、なっ、なんなのっ……!? いやっ、怖い……!」
部屋の中央にはそれまでは無かった砂の山が形成され、その中から巨大なピンク色のチューブが現れる。もちろんただのチューブが勝手に生えてくるはずもない。その正体は、ワームという魔物が異様に肥大化したものだった。

「……ぇっ……なっ……なに、あれ…………」
 信じ難い光景だった。彼女の住むフィーク町やその周辺には魔物が一切近寄らず、魔物など物語や神話に登場する存在に過ぎなかったのである。バットやキャタピラーといった下級の魔物を見ても彼女は怖気づいていただろう。
 それが、このワームはミルの身長どころか数メートル上にある観客席をも優に超える巨体を誇る怪物だった。それもまだ地面から完全には出切っておらず、全身はより大きいと思われる。彼女の稚拙な魔法でどうにかなる相手ではとても無い。
人間などすっぽりと入ってしまうであろう大きな口を向けられてミルには捕食者に狙われた被食者の感情が芽生え、何かを考える間もなく一心不乱に逃げ出すが円形の部屋は高いところにある観客席以外360度全て石の壁で封鎖されており逃げ道など存在しない。
「いやっ…………いや、いやいやいやっ……いやああぁっ! 助けてえぇっ! 助けてよぉっ! お願いっ、お願いしますぅっ!」
 本能的な命の危機を感じているのもあってミルはよりいっそう必死になってぴょんぴょんと跳ね、黒いローブの男に訴えかけるが男はミルどころかワームにすら興味を示していないようで、退屈そうに一人と一体を見つめていた。
 男からの助けにも期待できず、救いが無いかのように思われたその時。ワームは砂を巻き上げながら地中に引っ込み、ミルの前から姿を消した。
「あぇっ……? はっ、はぁっ……助かった、の……?」
 ワームが現れてから消えるまで、あまりに非現実的かつあっという間の出来事だったためミルは思考が追いつかず混乱するが、目の前からあの巨体が消えてひとまず落ち着いてしまう。再び地面が揺れて轟音が鳴るまでは。
「こ、今度はなにぃ…………ひぎぃっ!?」
 再び部屋の中央に変化が起きたが今回現れたのは山とは真逆、すり鉢状の窪みだった。窪みは部屋全体に広がり、その中心にはワームの口がある。まるでアリジゴクの巣のような絶好の食事場を造り上げたワームは大きく息を吸い、周囲の砂諸共ミルを窪みの中央にある口に吸い寄せ始めた。
「うそっ、そんな……やっ、やめえぇっ! 食べられちゃうぅっ!」
 ミルはワームから離れようと再び部屋の壁に向かって駆けるが、流砂のように動く砂に足を取られて前に倒れてしまう。それでもなんとか逃れようと手で砂をかき分けながら地面を這って進み、ワームとの距離を取ろうとする。
 その足掻きが功を成したのか砂の流れとミルの前進は拮抗し、ミルの体力さえ持てば逃れられる希望さえも見えてきた。
 するとワームはその拮抗を崩そうと動きを見せる。拮抗を崩し、哀れな少女を自らの口に迎え入れるために。



 ワームは大きな口からぬらぬらと不気味に輝く紫色の舌を2本伸ばしてきたのだ。まるでカメレオンの舌のようだったが、舌が2本もあるのはワームが普通の動物にあらざる魔物なる所為か。
 舌がミルの両足首に巻き付くと彼女はそのまま引っ張られてしまうと恐れたが、唾液のようなぬるぬるの粘液に覆われた舌はぬめりが強すぎるあまり、彼女の靴と靴下が脱げただけで獲物を捕らえるには至らない。
 脱げた靴と靴下が砂の流れに従ってワームの口の中へと吸い寄せられていくのを見て、あのように口に招かれる自分を想像しミルの顔が引きつる。
 そんな非力な被食者に2本の舌は再び襲いかかる。
「ひっ…………! こないでっ、いやっ、こないでよぉっ!」
 ミルは全力で前に這い進むがそれで舌の動きが止まるわけでもなく、今度こそ足を掴まれてしまうかもしれないと恐れをなすばかりだった。
 しかし彼女の不安に反して舌は足に巻き付こうとせず、代わりに靴が脱げて露わになった足の裏をぺろりと舐めあげた。
「ふあぁぁっ!? やっ、やめてぇっ!」
 舐められた瞬間、足の裏が奇妙な感覚に襲われて身体がビクリと震え、一瞬力が抜けて前進が止まってしまう。前進をやめれば流砂によって中央に流されるのみ、ミルは一生懸命砂をかき分け部屋の端に戻ろうとする。
 そんな彼女を嘲笑うようなワームの妨害は止まらず、足の裏を繰り返しペロペロと舐めてくる。
「ひっ、ふひっ……ひゃんっ! いひっ、それ、くすぐったいっ、からぁっ! きひひひひっ、ひあああっ!」
 思わず口から出た「くすぐったい」という言葉。それによって足の裏への奇妙な感覚はくすぐったい感覚へと実体化し、彼女を苦しめる。
「ひひゃっ、くすぐったいっ、くすぐったいよぉぉっ! うひひひひっ、くすぐらないでぇっ!」
 そしてくすぐったい感覚を受けると生じてしまうのが笑い。ミルはワームに吸い寄せられていくという絶望的な状況とはまるで不釣り合いの笑みを浮かべさせられていた。
 しかし心を支配するのは恐怖のみ。足の裏を苛むくすぐったさによって前進が阻害され、自分の身体が部屋の壁を離れてワームの口に接近しているのをミルは嫌でも実感してしまう。
「くふっ、ふふふふふふっ! きひひひひっ、やぁっ、うごけなくなっちゃうからあぁっ! いやっ、ぁっ、ぁぁあああああっ!」
 ワームの目的は定かではないが、足の裏をくすぐってミルを脱力させることが目的ならそれは確実に成功していた。ミルの手は砂をかき続けているが、足はしつこく舐め取ってくる舌から離れようとバタバタと振るわれるのみでまるで前進に貢献できていない。
 くすぐりという遊びでしかないはずのものが、ミルにとっては捕食行為の一部となっていた。
「いやっ、くすぐりいやあぁっ! うふふふふっ、ふひゃんっ! おねがいっ、もうくすぐらないでぇっひっひっひひひひひひ!」
 くすぐりを意識すればするほどくすぐったさに対する感覚が研ぎ澄まされてしまい、口から漏れていた声も徐々に大きくなっていき「笑い」に近いものとなっていく。口を開けて笑い出してしまうのも時間の問題だった。
「だめっ、これ以上はっ、はぁっくっくくくくくく……くひゃぁっ! あふふふふっ、ひゅぅっふっふっふふふふふふ!」
 笑い出してしまえばもう前進などできず、砂の動きのままに流されてワームの餌食となるのみ。それだけは避けねばならないとミルは笑いの衝動を抑えようとするが、ワームがそれを許さない。
 ミルの小さくて白い足を粘液塗れの舌で包み込み、離れることなく絶えず足の裏や足の甲を舐めて笑いへと誘う。
「くひひひひひっ、くひゅひゅひゅぅっ! ひゅふっ、ふひゅふふふふふっ! だめっ、おちちゃうぅっ! おちちゃうからぁっ!」
 ミルは決してくすぐりに強いわけではない。むしろ弱い方であるにも関わらず我慢が続くのは、捕食される恐怖に突き動かされる故か。
 それでも敏感な足の裏をぬるぬるの粘液とともに舌に撫でまわされる刺激は彼女に付き纏い、笑わずとも力が抜けて身体が滑り落ちていってしまう。
「たすけてぇっ、たすけてよぉっ! たべられちゃうぅっ、たべられちゃふうぅぅっふふふっふっふふふふふ! もうがまんできなひいいぃぃぃっひっひっひひひひひ!」
 安全な観客席から見下ろしてくる黒いローブの男に助けを求めるも相変わらずの無反応。
 そんな中、ワームの舌が伸びたのかミルの身体が落ちたのか、舌は足の裏から登っていって膝を経由し、太ももに到達する。

「ひやっ、そんなとこっ、なめなっっひっいひひひひひひひっ! くひゅぐったいよおおぉぉぉっひっひっひひひひひひひ!」
 舌は細めの脚に絡みつき、唾液を広げるようにして上下に擦りつけてくる。するとミルは不本意ながら声をあげてしまい、一瞬力が抜けて更に流されてしまう。
 ワームはその反応に気を良くしたのか棒付きキャンディーを舐めるかのようにミルの太ももをベロベロと激しく舐める。
「なめないでよおおぉぉぉっふっふっふふふふふふ! おいしくないからああぁぁぁっ! んあぁぁっ、ふひひひひっ、ひやああぁぁぁぁっ!」
 太ももを舐められてミルが足を振り回すと赤いワンピースが捲れて白い下着がチラチラと晒されるが、ワームは興味を示さず淡々と太ももを舐める。
 ミルは特に内ももが弱いようで、舌でなぞられると全身がピクリと跳ねてまた一歩ワームの口に近付いてしまう。
「いひゃぁっ、それいひゃあああああぁぁっ! ふくっ、くひひひひひっ、ひいいぃぃぃ~~っひひっひひひひひひ! うひひひひひひっひぁっきひっひっひひひひひひ!」
 ワームは学習能力を持っているのか、ミルが内ももを舐められて悶えるとその責めに執着するようになった。
 ミルからするとくすぐったい嫌がらせ以外の何物でも無く、そうされるのが苦手と宣言してしまうばかりに余計悶える羽目になる。
「やめへぇへへへへへっ、それよわいからああぁぁっ! あああぁぁっふふふっふっふふふふぅっうひっひっひっひっひ! もういやっ、もうくすぐったいのいやああああぁぁぁっ!」
 力が抜けてズルズルと砂に流されてしまうミル。ワームの舌は散々舐め尽くした内ももを離れ、今度は服の上から脇腹に突き立てられる。

「んきゃああぁぁっ!? そこいやぁっ、そこもだめえええぇぇっ! なめないでっていってるのにいいいぃぃぃぃ!」
 脇腹に触れた長い舌は舐める、というよりも押しこむようにして脇腹を刺激してくる。ワームの舌は人間の指のように器用に動かせるようで、舌を脇腹に押しこんだり離したりを繰り返して押しこむ度にミルの腹部に不快な感覚を走らせる。
「いやぁっ! きひゃぁっ! ふふゅううぅぅぅっふふふふふふ! あっちいって、うひゃんっ、あっちいってよおおおぉぉぉぉ!」
 もはや舌はミルの手が届く位置にあったが、ここで舌を振り払うために地面から手を離すとそれこそワームの思う壺、流砂に流され食べられてしまう。
 どれだけくすぐったくても、ミルは両腕を前に伸ばし、前進する努力を強いられている。できる抵抗は泣き言をこぼすのみだった。
「おちちゃうっ、きゅふふふふふふっ、おちちゃううぅぅぅっ! うひぇへへへへへっ! へひゃぁん! んあぁぁぁぁああ~~っ!」
 舌は何度かミルの脇腹を無秩序につついて彼女の赤いワンピースを粘液で汚していたが、しばらくするとある一点に貼りついてうねうねと蠢き出した。
 腰骨とあばら骨の中間地点。そこが彼女のウィークポイント、いわばツボだとワームは判断したのだろう。
「くひっ、ひひいいぃっ、くぁっ……ぁっくくくくくくっ……くふふふふっ、ひゅふふふふふふっ……! ふあぁっ、んあぁぁぁあああああああ! ~~~~~~~~~っ!!」
 ワームの予想は的中。幼い少女の決死の抵抗は、脆く崩れ去った。

「うあああぁぁぁあああっはっはっはっははははははははは! もうむりっ、もうむりいいぃぃぃぃいひひひひひっひゃははははははぁぁっ! それくすぐったいぃっひゃっはっはっはっははははははああぁぁぁぁっ!」
 小さい身体から発せられたとはとても思えない、地面を震わせかねないほどの大笑い。くすぐりに弱いにも関わらず気力だけで維持してきた我慢が崩壊し、笑いがどっと溢れ出た結果だった。
「くすぐったいいいぃぃぃ! くすぐったいくすぐったいくすぐったいよおおおおぉぉぉぉぉぉ! おああぁっはっはっはっははははははは! ぐぅっっっひっひっひひひひひひひひいいぃぃっ!」
 もう黙って前進してなどいられない。下着が丸見えなのも厭わず脚を何度も地面に叩きつけ、整っていた長い茶髪を揺らし、地面に着けていた両腕も無作為にブンブン振り回す。
 彼女の意識の全てがくすぐったさに悶えることに注ぎ込まれた。
「きゃぁぁあぁああっはっはっははははははは! さわらないでぇっ、さわらないでえぇぇひゃははははっはっはははははは!」
 左右の脇腹に突き立てられた2本の舌、これだけが少しでも離れてくれればいいとミルは暴れる両腕で舌を叩こうとするが、舌から溢れ出る粘液のぬめりによって彼女の攻撃は空を切ったかのようにあしらわれる。
 何度叩こうとしても帰ってくるのは叩いた感触ではなく脇腹のくすぐったさのみ。ミルは声を張り上げて笑うしかできなかった。
「もうやだああぁぁぁぁっはっはっははははははっうぁっはははははははは! なんでそこばっかりいいぃぃぃぃぃ! そこよわいのおおおぉぉぉぉっいっひっひっひひひひひひひひひ!」
 ミルが泣こうが喚こうがワームの舌は非情にも変わらず脇腹に突き立てられたまま振動している。変わっているのは、前進をやめて砂に流されるままとなったミルの位置だけだ。
「あああぁぁっはっはっはははははははっひいいぃぃぃっひひっひひひひひひ! おちちゃうっ、おちちゃうぅぅぅっふふふあぁっはっはっはははははははは!」
 ズルズルと流砂を滑り落ちていくミルの身体。そのつま先はもうワームの口のすぐそばだった。
 しかしワームもミルが動いたことで脇腹を責め続けることが困難になったのだろう、舌を一旦離してミルを解放した。
「あはははははぁっ……はぁ、はぁっ……けほっけほっっ! もう、いや……」
 舌が離れてもミルは激しいくすぐり責めで気力も体力も尽きており、地面にべったりと伏して砂に流されるばかりだった。
 無抵抗のままミルのつま先が部屋の中央に到達してしまい、ワームの巨大な口に咥えられる。全身が呑まれるのも時間の問題だろう。
 それでもワームは慢心しなかった。脚を咥えてなお口外に出された2本の舌が新たに向かった先は、服がノースリーブであるが故に丸出しになっているミルの腋の下。
 捕食が始まったという事実に気付いてすらいない彼女の腋に、大きな舌がピトッと触れる。すると。

「…………んぎゃぁぁぁあああああっはっはっはははははははははは! くすぐったああぁぁぁぁあっはっはははははっはぎゃははははははは! びゃぁぁっはっはっはっははははははははあああぁぁぁっ!」
 腋の下をベロベロと舐める2本の舌によって、ミルは再び出したくもない笑い声を出させられる。彼女自身自覚が無かったが、腋の下は脇腹をも上回る、ミル最大の弱点だったのである。
「そこだめえええぇぇっそこほんとだめだからああああぁぁぁあっはっははははははははは! なめないでえぇぇぇぇひひひひひひっぎひひひひひひひ!」
 それだけでない。気を半ば失ったまま食べられてしまえば幸せだったものを、腋の下への刺激によって意識を無理やり覚醒させられてしまったのである。
 既に足首がワームの口に埋まっているのを知ってしまい、ミルはパニックに陥る。
「そんなあぁぁぁああっはっははははははは! たべないでえぇぇぇっひぇへへへへへっふぇっへっへへへへへへへへ!」
 ミルは再び砂をかこうとするが足が呑まれた今となっては手遅れである。その間にも腋の下は遠慮なく舐められており、太い舌が腋を這う度に敏感な腋の下の神経にとてつもないくすぐったさが弾け、爆ぜる。
 今まさに食べられている最中にも関わらず、口角は上がり、笑いが止まらない。
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっ! だれかぁっ、だれかたすけてえええぇぇ~~ぇぇえっひゃっはっははははははは! びやああぁぁぁぁあっはっはっははははははは!」
 最後の望みをかけて涙ぐんだ目で観客席を見上げると、黒いローブの男はいつの間にか1人から3人になっており皆ミルとワームを見下ろしていた。しかしその表情は無関心か冷笑、誰一人としてミルを助ける気はさらさら無いようだ。
「おししょうさまああぁぁぁぁぁっわっはっはっはははははははは! たすけてくだひゃいいぃぃっ! たひゅけてくらひゃいいぃぃぃぃいっひっひっひひひひひっふぎひひひひひひぃぃっ!」
 呂律が回っていない声で助けを呼ぶ相手はここにいるはずもないクレア。ミルが知っている最も強く優しい人物、その存在にすがるしか道は残されていなかった。
 そうしている内にも身体はワームの口内に沈んでいき、気付けば太ももから下が見えなくなっていた。
「やだっ、たべないでぇっ、しにたくなああぁぁぁあっはっはっははははははは! おいしくないからああぁぁぁっひゃっはっはははははぎゃはははははははぁっ!」
 そこまで来ても尚、2本の舌は腋の下を蹂躙し続けている。あばらから二の腕まで豪快に舐め上げたかと思えば、腋の下の窪みの一点に貼りつき脇腹に行ったのと同様にうねうねと動いて振動で責め立てる。
 ミルの全身がワームの中に全て収容されるまで休むことは許されない。最後まで痛めつけ、体力を奪いきってから頂く。そんなプライドがあるかのような執念だった。
「たべないでえぇぇっ! くすぐらないれええぇぇっひぇっはっはっははははははははは! おししょうさまぁぁっ、おひひょうひゃまああぁぁ~~ぁあああっはっはっはっははははははははは!」
 食べられる恐怖と、腋の下への止まないくすぐり。どちらか一つでも気が触れそうになるものを、ミルは同時に受けている。
 涙と笑いが混ぜこぜになり、ミルは目を見開き笑い狂って心の拠り所だったクレアのことを叫ぶばかりだった。
 そんな見るも無残な姿の少女にワームは更に食らいつき、一口で胸まで吸い込んだ。
「やだぁっ、やだやだやだやだやだやだやだあああああぁぁぁぁぁぁあっはっはっはっははははははははは! しにたくないいいぃぃぃっ! おししょうさまあああぁっがっはっはっはっはははははははは!」
 くすぐりによって意識を失うことすらできず、自分の身体が呑まれるのをまざまざと実感させられる。数時間前まではこんな最悪の形で命を落とす未来が待っているなど考えたことすら無かったのに、今となっては苦痛が、死が、すぐそこに感じられる。
 ミルはそんな理不尽な運命を呪う余裕すら無く、怯え、もがき、笑い続けた。
「ぐぎいいいぃぃぃぃいっはっはっははははははははは! たべないでぇっ、たべないでぐだざいいぃぃっひっひひひひひっびいぃぃぃ~~ひひひひひひひひ!」
 ミルの腋の下では相変わらず舌が蠢き続けているが、とうとう最後の時が来た。ワームは口に力を入れ、一息に呑み込む準備をする。
 食われてしまえばこの拷問のようなくすぐりも終わる。しかし、死を受け入れられるほど少女の心は強くなかった。
「ぎゃぁっはっはっはっはははははハハハハハハハハハ! がはぁっがはぁっがははははははハハハハハハハハ………………ッ………………………………」
 終わりは驚くほどあっけなかった。ミルの手の指先までワームの口内に消えると同時に、あれほど荒々しく動いていた舌はピタリと止まる。
今も口内で叫んでいるであろう少女の声はワームの分厚い内壁に遮られ、数秒前までけたたましい笑い声が響き渡っていた円形の部屋は静寂に包まれた。
「はぁ、餌やり完了っと」
「今日のメスも馬鹿みてぇだったな」
「俺たちもなんか食いに行こうぜ」
 ワームが再び地中に潜ったのを確認すると、観客席にいた黒いローブの男たちは談笑しながら部屋を後にした。



 血赤色の分厚い肉壁に覆われたワームの体内。ミルは波打つ肉壁によって体内の奥へ奥へと引き寄せられていった。
 執念深い舌も流石に体内までは追ってこないようで、彼女はようやくくすぐりから解放されていた。笑い過ぎでまともに取り込めていなかった酸素を補おうと荒い呼吸を繰り返すが、狭く密閉されたこの空間では酸素も十分に摂取できない。
 どうせ後は死ぬだけなのだから生き延びても仕方ない、と開き直りたいところだったが、幼い少女は自ら死を選ぶことなどできず、彼女の身体も必死に命を繋ぎとめていた。
「ぜぇっ、ぜぇっ……かひゅぅ、かひゅぅ……たすっ、はぁっ、けて……おししょう、ぜぇっ、さま……ぁっ……」
 肩で息をしながら届くはずもない助けを求め続けるミル。死にゆく恐怖や絶望に泣き叫ぶ気力すらもとうに失せており、数時間前の元気な姿など見る影も無かった。
 ワームの体の半分ほどに到達した頃だろうか、彼女を包む肉壁が膨らみ、締め付けが強くなって彼女の身体と完全に密着した。
「う゛っ…………ぐぐっ……や゛っ…………」
 息苦しさに言葉すら発せられない。今度こそ本当に終わりなのだろう。ミルは枯れ果てた呻き声をあげるのみだった。
 肉壁から突然黄色の液体が滲み出て、彼女の赤いワンピースを溶かしていく。そんなことはもうどうでもよかったが、クレアに貰った大切なピンクのリボンすらも溶かされていくのを感じて目からボロボロと大粒の涙が零れていた。
「ぁっ…………だっ…………めっ……………………ぅぁっ…………」
 あっという間にミルの服が全て溶け、これから身体も溶かされるのだろうと予感したその時。黄色い液体の放出は止み、肉壁を覆っていた細かなヒダのような突起がもぞもぞと動き出した。
 1ミリも離れずに密着した、彼女の皮膚の上で。

「……………………っ…………ぁっ…………はっ……ははっ…………あはっ、ひははははっ、かはぁっ……っ……ぁぁぁぁあああああっはっはっはっはははははははははは! や゛あぁっはっはっはハハハハハハあぁぁっぎゃっはっははははははははハハハハハハハハ!」
 ミルは錯乱した。命と代償に逃れられたと思っていた、二度と味わいたくなかったあの感覚。それがあろうことか、蘇っていたのである。
 そんなはずはない。これは何かの間違いだ。夢や幻に決まっている。残酷な現実を受け入れられない彼女の脳はそう判断した。
 しかしそれは、またしても彼女自身の言葉によって実体化してしまった。
「くすぐっだい゛い゛ぃぃぃぃぎひひひひひっひぎゃぁっはっはははははははは! くすぐったすぎるからあぁぁぁあ゛がっははははははっぐあぁっはっはっははははははは!」
 ミルの全身に大雨のように降り注ぐ「くすぐったい」感覚。空っぽになっていた神経感覚にくすぐったさが詰め込まれ、出なかったはずの声が大音量で口を飛び出る。
 抜け殻同然となっていた彼女は、最も望んでいなかった形で魂を吹き返される。
「あ゛ああっぁぁぁあっはっはっはははははははっ! きついっ、ぎづいぃいぃぃぃぐぎぃっひっひっひっひひひひひひ! びゃぁぁああ~~っはっははははアハハハハハハハ!」
 身体を自由に動かせる状態で、2本の舌に舐められるだけで耐えられなかったのである。それが今は肉壁に締め付けられて微動だにできず、数えるのが億劫になるほどの細長い突起によって文字通り全身を責め立てられている。
 幼いミルに耐えられるはずもない、凄惨な仕打ちだった。
「びぎいいぃぃぃいっひひひひひひっふぎっひっひひひひひひひ! だしてぇっ、ここからだしでええぇぇぇっへゃっはっはっはははははははあああぁぁぁ!」
 1本1本の突起は指のように皮膚を引っ掻き、つっつき、ほじくりまわした。足の裏、足の甲、ひざ、太もも、お尻、脇腹、お腹、おへそ、あばら、背中、胸、腕、首、そして一番苦手な腋の下。
 全身を肉壁に包まれ密着させられていたミルは、その全身を悪魔の突起に責められた。
「ぐぎゃああぁぁぁあっはっははははははっやめでぇっやめでえええぇぇぇっひぇっへへへへへっべびゃぁっはっはっはははハハハハハハハハ! くすぐったいのいやあ゛あ゛あぁぁぁぁぁあがははははっはぎゃひゃひゃひゃひゃひゃぁっ!」
 1本の突起が肌を1回こするだけでミルの脳には皮膚神経を通じてその刺激がくすぐったさとして認識される。
 数百、数千もの突起に何度も何度も肌を弄ばれては脳の処理が追いつかず、ミルは脳が壊れてしまいそうになるほどのくすぐったさと終わらない爆発のような笑いの衝動に心と身体を狂わされる。
「おおすぎうううぅぅぅぅふふふふふぎゅぅぅっぅあ゛っはっはっはははははははははは! こわれるう゛ぅっ、こわれぢゃぁぁああ゛あ゛~~っははははっはっはっははひゃひゃひゃひゃひゃ!」
 体内から逃げようとしても、突起から離れようとしても、肉壁に完全に包み込まれてしまったミルは全身を石の中に閉じ込められているようだった。
 更に肉壁は足の裏やお腹や腋の下など、特にくすぐりが有効な部位はわざと伸ばすように押さえつけ、ピンと張った状態で無数の突起に晒していた。くすぐったい部位をくすぐったい体勢でくすぐられるのだから、くすぐりに弱いミルからしたら堪ったものでは無い。
「ぎゃぁぁぁぁあああはははははっはっはははっはなしてえええぇぇっふひひひひひひひい゛ぃぃっ! いあ゛ははははははあぁぁっはっはっははははははははあ゛あぁぁぁ~~!」
 腋壺のほんの僅かな範囲には数十本の突起が密集し、溜まった汗をペロペロと舐め取ってくる。腋の下が敏感なミルにとっては処刑同然だが、実はこれがワームの食事だった。
 人間を舌でくすぐり、抵抗する力を削ぎながら肌をくすぐりに過敏にする。そして呑み込んだ後は突起でくすぐり、汗や涎などの体液を出させてそれを舐め取る。非常に非効率的だが、このワームはそうやって生きていくように造られた。
 ここの建物で隠れて魔物の研究をしている、黒いローブの男たちによって。
「なんでわたしがあ゛あ゛ああぁぁぁあっはっははははははは! こんなめにいいぃぃぃいぎひっひひひひっぎいいぃぃぃぃ~~っひっひひひひっぐひひひひひひぃぃっ!」
 幼い少女の方が非力であるためワームにも食べやすいが、幼すぎるとすぐに命を落としてしまい食事にならない。
 ミルは年齢と性別で運悪く選ばれただけの、ワームの餌に過ぎなかった。
「おししょうさまあ゛あ゛ああああぁぁぁぁぁぁッ! たすけでぇっだずげでぐだざあ゛あぁぁぁぁあびゃははははっはははははは! んぎゃぁぁぁぁあ~~っはっはっはハハハハハハハ!」
 クレアも当然今頃心配になってミルを探している。しかしミルは転移魔法によってフィーク町から遠く離れた砂漠のアジトに連れ去られており、クレアがここまで来られる可能性はミルがここから自力で脱出できる可能性ほど小さかった。
「ぶびゃあ゛ああああぁぁぁぁあっはっはははははははっはぎひひひひひっひっひっひひひひいいいぃぃぃぃぃっっっぶゃっはっはっはっはははははははははははは!」
 苦しい。動けない。誰も来ない。死にたくない。怖い。
 くすぐったさに脳や神経を占領されながらも、あらゆる負の感情が入れ代わり立ち代わり浮かび上がり、ミルに涙を流させた。
 その涙も、頬を伝っている間に突起に舐め取られる。彼女の感情の結晶など、ワームの養分に過ぎない。
「やめてえ゛え゛えええぇぇぇぇぇっ! なんでもするっっっ、いうこときくからあ゛あ゛あぁぁぁぁぁあっぎゃっひゃっはっはっははははハハハハハハハハ! くすぐらあ゛あぁぁぁぁあぎい゛ぃっひっひっひひひひひヒヒヒヒヒヒヒ!」
 ミルは自分が誰に何を言っているのかすらわからずに、ひたすら懇願の言葉を口にするが当然誰にも届かない。餌の言葉を聞いてやる義理など何処にも存在しない。
 ただ、口から溢れ出る涎だけは丁寧に舐め取られる。この空間における彼女の存在意義はそれだけだった。
「んぎっひっひっひひひひひひいいぃぃぃぃぃいひひひひひひひひ! ひぎゃっはっはははははははっ、だあああぁぁっはっはっはははははははは! がひゃははははっはっはははははあぁっ!」
 ミルの身体には一切の自由が与えられず、ただただくすぐられて汗を垂れ流すだけのモノに変えられていた。搾り取るだけ搾り取って、使い物にならなくなったら捨ててしまう。
 家畜の方がずっとマシと思えるような扱いだった。
「ぎやあ゛あ゛あぁぁぁぁあっはっはっはははははははははは! ひっひひひひひひっい゛ぃぃぃぃひっひっひひひひひひひひ! おししょうあがあ゛あ゛あぁぁぁぁぁあはははははっはっはっはっはははハハハハハハハハハハ!」
 少女が餌からゴミに変わるのも、時間の問題である。
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